「放射線ホルミシス」とは何か?

「放射線ホルミシス」とは何か?
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  放射線は、絶対に 浴びてはいけない?

「放射線」という言葉を聞いたとき、おそらく多くの人が「絶対に浴びてはいけないもの」「健康を害するもの」といった、ネガティブなイメージを抱くのではないでしょうか。特に東日本大震災後、「放射線の危険性」に注目が集まったため、放射線に対し、恐怖心や警戒心を抱いている人もいるでしょう。
もちろん、原子爆弾や原子力発電所の事故の例からわかるように、強すぎる放射線を浴びると、遺伝子(DNA)の切断などが起きて健康が害され、死に至ることもあります。2シーベルト以上の放射線を瞬間的に浴びた場合の致死率は5%、4シーベルト以上では50%に達し、7シーベルト以上では、全員が死亡します。
また、世界の放射線の安全を司る国際放射線防護委員会(ICRP)は、「どんな微量でも、放射線は危険である」という勧告を発し続けており、一人あたりの自然放射線の年間被ばく量の上限を1ミソシーベルトに定めています。

自然界にも 放射線は存在する

しかし放射線は、実は身のまわりに、ごく普通に存在しています。宇宙からは放射線が降り注いでいますし、大地や海、川にはさまざまな放射性物質があります。そして空気や、日常的に口にする飲食物にも放射性物質が含まれています。
私たちが、日々の生活のなかで浴びたり取り込んだりする放射線のトータルの線量は、一人あたり、年平 均で2.4ミリシーベルト(0.27マイクロシーベルト/時)。つまり、この地球上で生きているだけで、ICRPが定めた上 限以上の放射線を浴びていることになります。しかも、高度1万メートルの高空では、放射線の強さは地上の150倍に達します。たとえば東京とニューョークを飛行機で往復する間に、人は0.2ミリシーベルトの放射線を受けるといわれています。パイロットやフライトアテンダントは、年間に最大で約1000時間、航空機に搭乗しますが、その間に受ける放射線は5ミリシーベルトほどになります。

また世界には、きわめて自然放射線の線量の強い地域が存在します。たとえば、ブラジルのガラパリの海岸の自然放射線は最高で年間6ミリシーベルト、中国広東省陽江県の場合は年間 6.4ミリシーベルトです。ところが疫学的調査では、陽江県の年間死亡率、ガン死亡率ともに、放射線が弱い地域のそれを 下回っているという結果が出ています。
なお、放射線の世界的権威であるフランス医学アカデミーのモーリス・チュビアーナ氏は、研究の結果、「自然放射線の100万倍の放射線下においても、細胞はDNAを修復することができ、自然放射線の10万倍以下であれば、細胞修復やアポトーシス(個体を守るため、DNAに異常が生じたりした細胞が自殺すること)が働くため、人体にはなんの問題も起こらない」と結論づけています。このように、放射線は非常に身近な存在です。適度な線量であれば、決して怖がる必要はないのです。

※抜粋・参照/医師も認める!! 健康&美容の最新療法「ホルミシスの力」ホルミシス臨床研究会編 監修/川嶋 朗 東京有明医療大学教授
大量なら有害、少量なら有益な放射線

それどころか、低線量(自然 放射線の10-100倍程度)の放射線は、人体に有益な作用を及ぽします。この現象のことを「放射線ホルミシス」といいます。「ホルミシス(hormesi 5)」とは、「ある物質を高濃度で、あるいは大量に用いると害をもたらすが、有害にならない程度の濃度、あるいは量を用いると、有益な作用を果たすこと」 をあらわす言葉で、「ホルモン」 同様、ギリシャ語の「horm aein」(=活性させる、興奮させる)を語源としています。ホルモンは、ほんの少しの量で、体内のさまざまな機能を活性化させ、人体が正常な状態を維持する上で重要な役割を果たします。そして放射線もまさに、ホルモンと同じような働きをします。後で詳しく説明するように、人が低線量の放射線に被ばくすることにより、・体内の抗酸化作用が活性化する。・DNAの修復能力が高まる。といった反応が起こり、さまざまな病気の治療や美容効果、老化防止などにおける効果が期待できるのです。すでに治療の実績がある病気としては、関節リウマチ、脊椎炎、腰痛、神経痛、関節炎、瑞息、アトピー性皮膚炎、アレルギー 皮膚炎などが、効果が予測され るものとしては、ガンの再発防 止・治療向上、各種肝炎、アルツハイマーの進行防止、パーキンソン病、糖尿病などがあります。また今のところ、放射線ホルミシス療法による副作用は確認されていません。

健康になって 戻ってきた宇宙飛行士

放射線ホルミシスの効果を最 初に提唱したのは、アメリカ・ミズーリ大学の生命科学の教授、トーマス・D・ラッキー博士です。 そもそものきっかけとなったのは、「宇宙空間の放射線が、宇宙飛行士の身体にどのような影響を与えるかを調査してほしい」という、NAsA(アメリカ航空宇宙局)からの依頼でした。当時NAsAはアポロ計画を推進中であり、宇宙放射線の 影響を調べる必要があったのです。 研究に取りかかった博士は、あることに気づきました。宇宙へ行った飛行士は帰還後、健康状態を調べるための精密検査を受けるのですが、その数字が一様に、宇宙に行く前よりもよくなっていたのです。そこで博士は「放射線を浴びると、生物の身体にどのような影響が出るのか」を、小さな生命体を使って実験。1982年、10年以上にわたる研究の成果を米国保健物理学会誌「Health Physics」に発表し「宇宙飛行士が浴びる地上の100倍もの線量の放射線は、人体にとって危険どころか、むしろ有益である」「放射線には、有益なものから有害なものに変わる限界線量(しきい値)がある」と結論づけたのです。しかしこの理論は、当時の世界の放射線学会を支配していた「どんなに微量でも、放射線は危険である」という学説と対立するものであったため、博士の主張は長い間、無視され続け、ました。ところが1980年代後半から、日本の電力中央研究所の服部禎男博士らが中心となって、ラッキー論文の検証を開始。10年以上にわたり実験が行われ、低放射線の人体における有益性が明らかになりました。以後、さまざまな専門機関の実験を経て、今では3000を超える国内外の研究論文により、放射線ホルミシスの効果が実証され実際の医療の現場においても利用されるようになってきています。

※抜粋・参照/医師も認める!! 健康&美容の最新療法「ホルミシスの力」ホルミシス臨床研究会編 監修/川嶋 朗 東京有明医療大学教授
活性酸素は万病のもと

低線量の放射線を浴びると、なぜ健康状態がよくなるのか。その理由をお話する前に、まずは「活性酸素」について、説明しておきましょう。 活性酸素とは、「酸化させる力が強い酸素」のことです。生物は、食べ物などから得たブドウ糖を細胞内で燃焼させ、エネルギーを取り出しますが、この際、必ず活性酸素が発生します。 また、呼吸によって取り入れた 酸素のうち、約2%が活性酸素になるといわれています。さらに、ウイルスや細菌、毒物などが体内に侵入したときやストレスを受けたとき、紫外線にさらされたとき、過剰な運動をしたとき、飲酒や喫煙をしたときにも、活性酸素が発生します。 酸化力が強いということは、 殺菌力が強いということでもあり、活性酸素は、体内に侵入した異物の駆除に、絶大な力を発揮します。しかし一方で、活性酸素は、その強い酸化力や攻撃力により、身体のDNAや細胞、組織をサビさせたり傷つけたりします。それを防ぐため、身体にはもともと、抗酸化酵素や抗酸化物 質を活性化させ、活性酸素を除去する「抗酸化系」とよばれる システムが備わっています。ところが、活性酸素が増えすぎたり、加齢などによって抗酸化 酵素の働きが弱くなったりすると、活性酸素を制御しきれなくなってしまうのです。

※抜粋・参照/医師も認める!! 健康&美容の最新療法「ホルミシスの力」ホルミシス臨床研究会編 監修/川嶋 朗 東京有明医療大学教授